本文へスキップ

アトリエ・エルスールからエルスール財団へ 詩とダンスのために いま、新たなページが始まる

第6回エルスール財団新人賞

今年のエルスール財団新人賞受賞者が下記のように決定いたしました。

 
 
<現代詩部門>
鈴木一平

贈賞理由……今年は鈴木一平を指名する。俳句や日記を含む詩的エクリチュールのあらゆる形式を用いての、いやページレイアウトをも巻き込んでの、世界が自己と外界に分化する以前の「雲」を言語化しようとする詩集『灰と家』の試みは果敢に冒険的で、真に新人の名に値するし、「いぬのせなか座」という驚嘆すべきユニットでの活動も含めて、鈴木一平は可能性のかたまりのような詩人だ。(野村喜和夫)

選考委員:野村喜和夫、柴田聡子(前年度受賞者)
<コンテンポラリー・
ダンス部門>
小暮香帆

贈賞理由…最も注目しているダンサーの一人である。柔和な外見とは裏腹に、空間全体を圧するほどの巨大なエネルギーを一瞬で身体に宿す。しかもそのエネルギーをしっかりと制御しダンスに展開してみせる力もある。
小暮は様々なアーティストの作品に参加・共演をしてきたが、初の長編ソロ作品『遥かエリチェ』(2013)はシチリアの映像を背景に、美しさに安住しない覚悟のあるダンスを踊った。長編ソロ2作目『ミモザ』(2015)はグールドが弾くバッハのゴールドベルグ変奏曲を一気に全曲流し、曲に食らいついていく獰猛さも見せた。『幽体の集めかた』(ハラサオリ主催。2017年)では柴田聡子との共演で豊かな情緒を紡いだ。そして11月には新作『ユートピア』を上演予定。現在、小暮主演の映画が吉開菜央監督で制作中である。
小暮の世界は、これからさらに広がり深まるだろう。この賞がその翼のひとつとなることを願う。

選考委員:乗越たかお
<フラメンコ部門>
中原潤

贈賞理由…中原潤さんの踊りを初めて拝見した時、はっと息を飲むような瞬間があった。それは、30年以上前にグラナダのマノレーテ氏の踊りを初めて観た時の感動にも似たものだった。「アンダルシアの風」とでも形容したいような、さわやかでありながら熱いものを含んだ風が会場に吹いたのだ。7歳からフラメンコを始め、スペインでも多くの氏に学んだという中原さんだが、ここ1~2年の進化には並外れたものがあると思う。さまざまなステージに立ち、他ジャンルのアーティストとのコラボレーションまで行っている。さわやかにして熱く、新しいフラメンコに触れながらもなおフラメンコの根を大切にされている姿勢には心打たれる。そんな彼に、ますますの進化を期待しつつ新人賞をお贈りしたいと思う。

選考委員:野村眞里子
なお、授賞式は後日、東京都内で開催いたします。

バナースペース